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ARTURO SANDOVAL

artist ARTURO SANDOVAL

REPORT

原田和典のBloggin' BLUE NOTE TOKYO

大統領自由勲章、ケネディ・センター栄誉賞など幾多の栄光に輝く"音楽界のアンバサダー"、アルトゥーロ・サンドバルが8年ぶりにブルーノート東京で公演中です。幅広い年齢層のファンで場内は超満員、加えて「おかえりなさい」という声がきこえてきそうなほどアットホームなムードに満ちていました。

バンド・メンバーの演奏が快調に始まって十数小節後、踊りながらサンドバルが登場。客席の熱気はさらに高まります。今回の公演ではトランペットを聴かせてくれるのはもちろん(しかも2種のモデルを使い分け、曲によってハーマン・ミュートも用います)、キーボード、ピアノ、ティンバレス、ヴォーカルも披露します。とにかく休む間もなく演奏に活気を与え、バンドを煽り、オーディエンスを楽しませるのです。いわゆるハイノート・ヒッターとしても知られるサンドバルですが、中音域を駆使してじっくり奏でるバラード・プレイもまた絶品。サブトーンといえばいいのでしょうか、息の音を混ぜたようなアプローチ、滑らかな音使いは、まさに"トランペットで歌を歌っている"感じです。またプログラム後半では、アコースティック・ベースとドラムスだけをバックに「Days of Wine and Roses」をピアノで披露。かつて発表したピアノ・アルバム『My Passion for the Piano』を彷彿とさせるパフォーマンスでした。

ほか、トランペット+テナー・サックス+バリトン・サックスによるホーン・セクションがバンドの音にさらなる厚みを加えるのも、今回の公演の見どころといえましょう。いわゆるラテン・ジャズの大御所であるサンドバルですが、その音楽性は多彩です。ホーン・セクションの奏でるフレーズには、モダン・ジャズ(ビバップ)、ファンク、ブラス・ロックを感じさせるところもあり、それらも彼の音楽をさらに彩り豊かなものにしているといっていいはずです。前回の来日に同行したマイケル・タッカーは今回も快調。故マイケル・ブレッカーが"温かみのある音色と素晴らしいテクニックを持つ、優れた奏者"と評したテナー・プレイヤーの真価を、ぜひライヴでご体感いただけたらと思います。ほか、アーミングも駆使しながら弾きまくるウィリアム・ブラーム(ジェフ・ベックを敬愛しているようです)のギター・プレイも実に鮮やかでした。

最新作『SANGÚ』も話題を集めているサンドバルですが、事前にセットリストは決められておらず、何が飛び出すのかはバンド・メンバーすらわかりません。サンドバルがその場で思い浮かんだことが、パフォーマンスに反映されるのです。「次は君の番だ」という感じで、彼に突如指示されたミュージシャンがアドリブを始める場面もありました。スリリングでハッピーな演奏の数々を、ぜひ至近距離でお楽しみください。天衣無縫のエンターテイナー、サンドバルの公演は27日まで続きます。
(原田 2026 5.26)

Photo by Jun Ishibashi

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【LIVE INFORMATION】

ARTURO SANDOVAL
2026 5.25 mon., 5.26 tue., 5.27 wed.
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